PFAS規制の動きが拡大しています。
PFAS規制についての調査
PFAS規制とはどのようなことなのか、さらにはアウトドア製品にどういった影響が及ぶのかについて詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。
PFAS規制とは?
PFAS(永続性有機フッ素化合物)は環境や健康への悪影響が懸念される化学物質です。
規制は、PFASの使用を制限し、PFASが環境に排出されて汚染することを防ぐために、各国で強化されています。
なぜ規制が必要なのか?
PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、自然分解が極めて困難で環境中に蓄積しやすく、人体や生態系に深刻な影響を与える可能性があります。
摂取による発がん性リスクやホルモンの乱れ、免疫力の低下が指摘されており、汚染拡大を防ぐため、規制が必要とされています。
実際に規制されているアウトドア製品は何があるのか?
PFASは、主に以下のようなアウトドア製品に使用されてきました。
- アウトドアウェア:
ゴアテックスなどの防水・透湿素材が使われたジャケットやパンツ。
撥水性を高めるためにPFASが加工に利用されてきました。 - キャンプ用品:
防水性を必要とするテントやタープの生地に使用。
雨や汚れを防ぐため、PFASでコーティングされています。 - 調理器具:
キャンプ用のフライパンや鍋のノンスティック加工にPFASが使われることがありました。 - シューズ:
トレッキングシューズやブーツの撥水性を向上させるために使用されてきました。
これらの製品は、高い耐久性と防汚性が求められるためPFASが多用されましたが、環境や健康への懸念から規制が進んでいます。
日本での対応は?
日本では、PFASに対する規制や対応が徐々に進んでいますが、欧米に比べるとまだ遅れている面があります。
主な対応状況は以下の通りです。
- 環境基準の設定:
2021年に厚生労働省が、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)およびPFOA(パーフルオロオクタン酸)に関して、飲料水の暫定目標値を50ng/Lと定めました。 - 輸入規制:
経済産業省は、PFOSやPFOAを含む一部のPFASについて、製造や輸入を原則禁止しています。
これはストックホルム条約(POPs条約)に基づいた措置です。 - 製品への代替素材推進:
日本国内でもアウトドアメーカーや日用品メーカーが、PFASを含まない素材への切り替えを進めています。
撥水加工やノンスティック加工において、フッ素を含まない新しい技術を導入する動きがあります。 - 調査・モニタリング:
国や自治体がPFASの環境中濃度や飲料水の調査を実施しています。
これにより汚染実態を把握し、対応策を進める基盤を整えています。
今後は、欧米のようにPFAS全般を規制対象とする包括的な法整備や、さらなる代替技術の普及が求められています。
まとめ
PFAS規制については、日本での今後の動きが注目されています。
アウトドアファンなら知っておくべきこのPFAS規制について、今後もその動向を見守っていきましょう。