雪原を行く道具として、
スノーシューとクロスカントリースキー(以下XCスキー)があります。
どちらも、ブーツだけで歩くよりはるかに雪上の行動範囲を広げてくれますが、XCスキーはスノーシューとひと味違った楽しみがあります。
今回は、XCスキーの魅力についてご紹介します。
XCスキーってなんだ?
整備されたゲレンデを滑るのは、アルペンスキーといいます。XCスキーは、雪の野山や雪原を歩いたり滑ったりするスキーです。
道具も大きく異なり、アルペンスキーは固いブーツをビンディングでスキー板にがっちり固定しますが、XCスキーはかかとが持ち上がるやわらかい専用シューズを使います。
XCスキーの基礎知識【アイテム編】
・スキー板
幅が細くて金属エッジのないソールのスキー板です。また、なだらかな斜面なら登れるようにウロコ状のソールもあります。歩くための板なので、とても軽いスキー板です。
・シューズ
スキー板につま先だけをビンディングで固定するやわらかいシューズです。かかとは、スキー板から浮く構造になっています。
・ポール
XCスキーでは、腕の力を使って前に進みます。ポールのバスケットも雪面をとらえる形状で、アルペンと比較すると長くて軽いポールを使います。
・XCスキーのウエア
アウターは防寒と防水性が高いこと、歩くとすぐに熱くなるので温度調節のしやすいウエアがおすすめです。アンダーウエアは汗をかいても速乾性の高いものがおすすめです。また、サングラスやグローブは必須アイテムです。
【フィッシャー】FIBRE CROWN XCツーリングスキー
ビギナーから上級スキーヤーまで使いやすい軽量モデル。少ない力で力強いキックができる高い滑走性能が特徴です。
サイズ:179~204㎝
価格:¥98,505
【フィッシャー】XC PRO
初めてのXCスキーに最適な、フィット感に優れた快適性の高いシューズです。シューズ内の嫌なニオイを低減する工夫がされています。
価格:¥32,874~¥75,807
【enkeeo】トレッキングポール
シャフトがカーボン製のため非常に軽く、つかみやすい形状のグリップでXCスキー向きのバスケットへ力がむだなく伝わります。
サイズ:100㎝、120㎝
価格:¥2,860
XCスキーの基礎知識【滑り方編】
・歩くテクニック
スキー板を並行にそろえて、手足をまっすぐ交互に出して進みます。手はポールでしっかり雪面をとらえて、押しながら進みます。スキー板で雪面を蹴るタイミングをつかめると、スムーズに前進できます。
・登るテクニック
ゆるやかな坂はそのまま登れますが、急な坂はスキーを逆ハの字にして内股気味に、ポールで後ろを突いて登ります。
・滑るテクニック
かかとが固定されていないので、スピードは出せません。スピードコントロールは、スキーのボーゲンと同様にハの字で制動をかけて滑ります。
XCスキーで歩きたい場所は?
もともと雪原を歩くためのスキーなので、初心者のうちは新雪や深雪はさけたほうが無難です。開けた雪原や、雪の積もった平坦な森林地帯などがXCスキーに向いています。
スノーシューより早く歩けますので、行動範囲も広がります。林や雪原を歩くことで、冬の自然を肌で感じられます。
XCスキーの注意点
行動範囲が広がるXCスキーですが、整備されていない雪原を歩くときは注意が必要です。案内表示やコース整備がされていない場合、突然の天候悪化で方向がつかめなくなることもあります。
慣れていないエリアや初心者は、安定した晴天日以外はガイド同行がベストです。
ゆったり歩く雪上ハイキングに出かけよう!
XCスキーの魅力は、ゆったりとした気持ちで雪原の散歩を楽しめることです。滑るような歩き方は、独特なリズムとスピード感で非日常を演出します。冬の自然をゆったりと楽しみたいなら、XCスキーを体験してみませんか?
written by ジプ蔵