自然の醍醐味を味わおうと、標高の高いエリアや山奥のキャンプ場に行かれたことはないでしょうか。
こうした人里離れたエリアでは、夜中にテント周辺で “ガサゴソ” と不思議な音が聞こえたりします。
この音の正体は、ほとんどの場合、野生動物がテントサイトに現れたときの音です。相手が小さくても大自然の中では、野生動物は刺激せずに距離をとることが基本ですが、具体的にどうしたら良いのでしょうか。
今回はキャンプ場で出会う野生動物の対処方法についてご紹介いたします。
・キャンプ場で出会いやすい野生動物は?
実際に自然の豊かなキャンプ場では、どんな野生動物に出会う可能性が高いでしょうか。地域の特性はありますが、一般的に遭遇例の多い動物として次の6種が挙げられます。
・タヌキ
・キツネ
・ニホンジカ
・カモシカ
・サル
・クマ
このうちキツネとタヌキは夜行性で、深夜にテントサイト周辺をうろつくためガサゴソという音が気になって眠れなくなります。キツネやタヌキが深夜に現れるのは、人の持ち込んだ食材を狙ってのことです。
そこで、対処方法としては以下の3つが挙げられます。
1.食料は屋外に出しっ放しにせず、クルマの中で保管する。
2.残飯、ゴミも同様に車内に入れる。
3.車内に戻せない場合はロックできるクーラーボックス等で保管する。
一度、食べ物があると学習すれば翌日も現れますので、保管体制は厳重にしておく必要があります。ニオイがしなければ近づいてきませんので、距離を保つことにもなります。クーラーボックスは食材を保管しても戸外には放置せず、テント内に入れておくようにしましょう。
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大型でしっかりロックできるクーラーボックス
2Lペットボトルなら18本入る大容量のクーラーボックスで、しっかりとロックする構造になっています。
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容量:80L
重量:約6.8kg
耐荷重:80kg
遭遇時にもっとも注意したい動物は?
ニホンジカやカモシカはこちらから手を出さないかぎり、まず何もしません。サルは近くにいても目を合わさないことと、エサになるようなものを見せなければ問題ありません。
やはりもっとも注意したいのは、クマとの遭遇です。
滅多にないことではありますが、クマもキャンプ場近くに姿を現すことがあります。とくに秋は野生動物にとって、1年でもっともエサが豊富な時期ですが、クマにとって秋は冬眠に備えエサを求めて行動範囲が広がる時期なのです。
そのためキャンプ場近辺のハイキングコースや道路に現れることもあります。そんなとき、落ち着いて対処する方法をご紹介いたします。
・遠くにクマを見かけたら、あわてず騒がずゆっくりその場から離れること。
・クマを驚かせるような大声や、フラッシュをたかないこと。
・近くにクマがいたときは、クマに背中を見せずに、クマを見ながらゆっくりと後退して、その場から離れること。
・驚いて走って逃げない。(クマは時速50キロで走れることと、逃げるものを追いかける習性があるので、かえっておびき寄せることになる)
・食料を携帯しているときはそれを置いて、興味がそちらに向いたときにその場から離れる。
・襲われてしまった場合、クマの急所である鼻を固いもので叩くか、刺激性のクマ撃退スプレーを鼻に噴射する。
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クマ撃退用のペッパースプレー
強烈な唐辛子エキスの催涙剤の刺激でクマを撃退するスプレー剤です。安心のため携帯しておくのも良いでしょう。
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成分:唐辛子エキス、代替フロン
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噴射持続時間:連続7.2秒
価格:¥9,513
いずれにしてもクマといきなり出会って、沈着冷静で完ぺきな対処法をとれるものではありません。
まずは出会わないように、周辺の目撃情報や地元のニュースをチェックしておくのが最善の策です。
・自然と共存する楽しみ
人里離れた山奥は本来野生動物たちのエリアです。実際にハイキングコースなどでばったりと野生動物に出会うと、驚かされるとともに彼らのたくましい野性味に思わず引き込まれてしまいます。
キャンプはそんなアウトドアライフの醍醐味である自然とのふれあう機会を与えてくれ、自然との共存を実感させてくれる場です。そんな緊張感もアウトドアの楽しみ方のひとつです。
written by:ジプ蔵