暖かい日射しに誘われて、キャンプに行きたくなる季節になりました! キャンパーにとって春は屋外で過ごしやすい季節ですが、それと同時に春ならではの注意したい危険なエリアや遭遇しやすい危険生物もいます。
今回は、春キャンプで注意したい危険についてご紹介します。
春キャンプで注意したいエリア
水の温む季節に川遊びをする方も増える時期ですが、春の川は上流からの雪解け水で水温がかなり低い場合があります。誤って落ちたら心臓麻痺を起こしかねず、注意が必要です。
春に出会う危険生物
春の水辺や湿った場所は、暖かくなり活動を再開した動物も集まります。この時期のキャンプは、ときに危険な生物と遭遇することもあり、注意すべきいくつかの生物をご紹介します。
ムカデ
習性と遭遇しやすい場所
ムカデの活動期は春から秋にかけて、とくに5~6月は産卵期のため多く出現します。湿った場所を好むため、朽ち木や石の下、水回りやトイレ近辺に現れ、キャンプ場では、ランタンなどの灯りに集まる虫を補食しにテントサイトに近づきます。また、夜間にテント前に脱いだ靴の中に潜むことがあります。
ムカデの回避方法
テントは乾燥した場所に設置します。また、エサとなるほかの虫を呼び込まないように就寝時までテント近くにランタンを置かないようにします。
ムカデに咬まれたときの対処方法
ムカデの毒は、42℃以上の熱で変性するため熱めのお湯やシャワー、なければ流水で傷口を洗いながら皮膚表面の毒を洗浄します。
ヤマカガシ
習性と遭遇しやすい場所
北海道と小笠原諸島以外なら日本全国に生息する中型の蛇です。平野部や山間部の比較的標高の低い水場に生息し、カエルやオタマジャクシに小型魚類をエサとしており、川辺などで遊ぶ場合に注意が必要です。
ヤマカガシの回避方法
毒蛇の頭は三角形と言われますが、ヤマカガシはシマヘビに似た頭部をしています。ただ、首回りに黄色いリング状の模様があり、褐色のほかに黒・赤・黄が重なる鮮やかな体色で、水場近辺で派手な色合いの蛇を見かけたら要注意です。
ヤマカガシの毒牙は奥歯にあり、噛みついたとしても人の皮膚に食い込むことはありませんが、指など細い部分は毒牙が貫く可能性があります。攻撃性は低いので、誤って踏んだりつかまないかぎり咬むことはありません。
咬まれたときの対処方法
ヤマカガシはマムシの3倍の毒性を持つとされ、咬まれた場合はポイズンリムーバーなどで吸い出します。次に、流水で洗いながら血液を絞り出した後、咬まれた場所から10cmほど心臓寄りの部位をタオルなで強く縛り、病院で処置と判断を仰いでください。
ツキノワグマ
習性と遭遇しやすい場所
ツキノワグマは、本州と四国で4月ごろに冬眠から目覚め、植物の若芽や冬場に死んだ動物の亡骸をエサにするため、山菜採りや渓流釣りで遭遇します。
ツキノワグマの回避方法
残雪のある春先の山は、遭遇確率が高いので避けるほうが無難です。入る場合は、単独行動をとらず大勢で話しながら行動したり、音の出るものを身につけてクマにこちらの存在を気づかせるようにします。
遭遇時の対処方法
逃げる獲物を追いかける習性があるので、遭遇したらクマから視線をそらさずに後ずさりして距離を取ります。もし、リュックや食べ物を持っていたら、地面に置きクマの注意をそちらに引きつけて遠ざかるようにします。
万が一に備えて、クマ撃退スプレーの携行をおすすめします。
大自然の恵みを注意深く味わおう
四季の移ろいを、肌で感じられるのがアウトドアライフの醍醐味です。上手にアウトドアを楽しむ秘訣は、あくまでも大自然の一部をヒトが間借りしているという意識です。ツキノワグマやヤマカガシ、ムカデの住み家にお邪魔しているのはこちらなので、彼らの生息地を踏み荒らさないためにも、不注意に近づきすぎないことが自然を存分に楽しむためのコツですね。