キャンプでやりたいことの上位にランクインする「たき火」。
ここ数年で、ソロ用のコンパクトなたき火台から2次燃焼で煙が少ないたき火台、デザイン性が高いものまで多種多様なたき火台が登場しています。
そんな誰しも簡単に楽しめるたき火ではありますが、たき火による事故も多いことはご存じですか?
本記事では実際にあったたき火関連の事故を紹介します。
実際にあったたき火(BBQ)関連の事件
たき火による山火事
林野庁のデータによると平成27年度から令和元年に発生した山火事の約30%がたき火によるものです。
冬から春に集中して発生しており、強風や落ち葉などが主な原因です。
2021年2月に群馬県桐生市にて約30万平方メートル以上にも上る山火事が発生。
近くに住む男性が消火作業中に両足と顔面にやけどを負った。
ドラム缶で枯れ草を焼いている際に、下草に火が燃え移ったのが原因
強風時にたき火を行うと火の粉が周りに飛び、体にあたってやけどを負ったり場合によっては火事になったりすることがあります。
例え庭でのBBQであっても、強風時では火の粉が飛び散りご近所トラブルに発展することがあります。
風が強い日にはBBQや焚き火はやめましょう。
2021年2月に東京都青梅市にて住宅や山林が燃える火災が発生。
庭でたき火をしており、強風で火が燃え上がったのが原因とみられる。
野営場などでは、サイト内に落ち葉や枯葉が大量落ちていることが多々あります。
その状態でたき火を行うと、飛び散った火の粉が落ち葉や枯葉に引火して火事になることがあります。
たき火をする際には、必ず周りの枯葉を片付けてから行いましょう。
強風時にはたき火をしない
たき火の周りの枯葉や落ち葉は片付ける
火の不始末による事故
2017年8月の出来事。
砂浜に放置された炭を踏み小学生2の男の子が両足をヤケドしてしまった。
炭には砂がかぶせられており、一見すると炭があるように見えない状態だった。
2020年アメリカでの出来事。
たき火を楽しんだ家族は、そのうち火が消えるだろうと思い火をそのままにした状態で就寝。
翌朝1歳の幼児がたき火の跡に転倒してしまった。
その時点で炭は600度の高温にあり、指3本を失うやけどを負ってしまった。
たき火をそのままにしてその場を離れたり就寝したりというのはとても危険です。
たき火の終了時や就寝時にはしっかり消化しましょう。
たき火終了時には必ず火を消す
一酸化中毒
2015年三重県にて発生。
暖をとるためにテント内で炭を焚いて就寝。
翌朝7歳の長女が気を失っているのを発見。一酸化炭素中毒による死亡が確認された。
2ルームテントで入り口部分を立ち上げて、キャノピー下でBBQを実施。
BBQが終わり入り口部分の下30cmを開放した状態でクローズ。
2ルームテント奥のインナーテントに入った子供が昏睡状態となってしまった。
火を燃やす際、酸素の供給量が足りないと不完全燃焼を起こし一酸化炭素が発生します。
これは締め切ったテント内で、灯油ストーブや薪ストーブなどを適切に使わないとよく発生するトラブルです。
一酸化炭素中毒になると、軽度の状態では頭痛や吐き気、最悪の場合死に至ります。
一酸化炭素自体には色もにおいもないため、発生しても気が付くことができません。
定期的に換気を行う。
一酸化炭素チェッカーなどで一酸化炭素濃度をチェックする。
まとめ
実際にあった、たき火関連の事例を紹介しました。
キャンプブームの裏側で、たき火の火の粉でテントが燃えてしまったり、就寝中に薪ストーブから火が出てテントが全焼してしまったりという事故も発生しています。
「自分だけは大丈夫」と過信は禁物です。
適切な対策をしたうえで、たき火を楽しんでくださいね。
written by 水木 幸